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金融機関・支援機関の方へ

金融機関・商工会の補助金・融資の取引先支援

金融機関・支援機関向け公開 更新

この記事で分かること

金融機関や商工会は、取引先・会員の資金計画や経営の課題を知る立場にあり、補助金と融資をあわせて案内しやすい存在です。一方で、申請書類の作成は資格のある専門家か申請する会社自身の仕事で、金融機関には優越的地位の濫用をさける責任もあります。この記事では、支援機関の役割と線引き、取引先支援の流れをまとめます。

支援機関が補助金・融資を支援する意味

補助金は後払いです。採択されても、設備の代金はいったん会社が払い、補助金が入るのは事業が終わって額が確定したあとです。そのため、補助金の活用には、自己資金や融資をふくめた資金計画がかかせません。ここで、取引先の資金繰りを知る金融機関の役割が大きくなります。

また、補助金によっては、支援機関の書類が申請に組みこまれています。

  • 小規模事業者持続化補助金:地域の商工会・商工会議所が発行する「事業支援計画書(様式4)」が必要です(第20回の発行の受付締切は2026年12月4日)。
  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金:金融機関から資金の提供を受けて事業を行う場合は、事業計画を金融機関が確認したことを示す「金融機関による確認書」を出します(第1回)。審査では、金融機関などからの十分な資金調達が見こめるかも見られます。

機関ごとの役割

支援機関ごとの主な役割の例
機関主な役割
信用金庫・銀行資金計画の相談、つなぎ融資・設備資金の融資、金融機関による確認書、経営相談
商工会・商工会議所経営指導員による相談、持続化補助金の事業支援計画書(様式4)の発行、地域の制度の案内
認定経営革新等支援機関経営状況の把握、事業計画の作成・実行の支援、フォローアップ(中小企業等経営強化法にもとづく認定)
自治体・公的機関地域の補助金や制度融資の窓口、事業者への案内

どの機関も、「合う制度を見つけて案内し、必要な専門家や窓口へつなぎ、資金面をささえる」ことが中心です。申請書類そのものは、申請する会社が自分で作るか、資格のある専門家が作ります。

支援機関が守るべき線引き

1. 申請書類を代わりに作らない

補助金の申請書類は、一般に官公署に出す書類として、その作成は行政書士の業務とされます。2026年1月1日施行の改正で、行政書士法19条は、行政書士でない者が「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」業として作ることはできない、と定めました。金融機関・商工会・コンサルタントも、報酬を得て業として作るなら、この制限の対象になります(ほかの法律に別段の定めがある場合などをのぞく)。手数料やコンサルタント料などの名目でも同じです(総務省の説明)。

さらに、補助金の公募要領が「申請者自身による作成」を求めていることもあります。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回)は、外部の支援者の助言は差し支えないが、作成自体を申請者以外が行うことは認めず、発覚した場合は不採択・採択取消・交付決定取消になるとしています。持続化補助金も、社外の代理人だけで商工会・商工会議所に相談したり、事業支援計画書の発行を頼んだりはできない、としています。

2. 雇用関係の助成金は社労士へつなぐ

雇用関係の助成金(労働局・ハローワークに出すもの)の申請書類の作成や提出の代行は、社会保険労務士法27条で、社労士または社労士法人でない者が報酬を得て業として行うことが禁じられています。支援機関は、制度の案内をしたうえで、社労士や労働局の窓口へつなぎます。

3. 金融機関は、優越的地位の濫用をさける

金融庁の中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針(令和8年10月)は、地域金融機関が国や地方公共団体の中小企業支援施策を活用して、資金繰りの管理や経営状況の把握などの基本的な経営改善の計画の策定を支援する場合、優越的地位の濫用の防止にも留意しつつ、その施策の活用が本当に顧客企業のニーズに合っているかを確かめる必要があるとしています(Ⅱ-5-2-1)。銀行が付随業務として取引先企業への経営相談などを行う場合も、独占禁止法上問題となる優越的地位の濫用の発生を防ぐ態勢を求めています(Ⅲ-4-2-2)。

  • 補助金の支援を、融資やほかの商品の契約の条件にしない。
  • 補助金の提案に応じなくても、融資の取引に影響しないことを伝える。
  • 取引先が本当に必要としている投資か、補助金ありきの投資になっていないかを確かめる。

4. 審査や採択を約束しない

補助金の採択は事務局の審査で決まり、融資の可否は金融機関の審査で決まります。どちらも、案内の時点で結果を約束することはできません。「採択されたら融資が通る」「この補助金なら通る」のような言い方はさけ、補助金が不採択だった場合の資金計画もあわせて話しておくと安心です。

5. 取引先の情報は、同意の範囲で扱う

取引先を専門家やほかの機関へつなぐとき、代表者などの個人データを渡す場合は、個人情報保護法27条により、原則としてあらかじめ本人の同意が必要です。監督指針も、個人である顧客から第三者提供の同意を取るときに、過剰な範囲の同意を強いられないよう留意することを求めています(Ⅱ-3-2-3)。だれに、どの情報を、何のために渡すかを伝えて同意をもらい、記録しておきます。

6. 支援したことを申告してもらう

持続化補助金(第20回)では、商工会・商工会議所以外の第三者の支援を受けた場合、支援料金の支払いの有無にかかわらず、その相手方と支援にかかる金額(着手金・成功報酬など名目を問わず)を申請の画面に書く必要があり、書かないと虚偽の報告として不採択・交付決定の取消になります。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金でも、事業計画作成支援者の名前・支援内容・報酬(予定)額・契約期間を書く決まりです。金融機関が計画づくりを手伝った場合は、取引先にこの申告を忘れないよう伝えます。

取引先の地域・業種で使える補助金を、ホジョナビの一覧で見る

取引先・会員支援の流れ

  1. 課題と予定を聞く:設備投資、販路開拓、IT化、賃上げ、事業承継など、取引先がやりたいことと時期を聞く。
  2. 合う制度を案内する:国・都道府県・市区町村の補助金、雇用関係の助成金、制度融資を、目的と所在地から当たる。
  3. 要件と締切を伝える:公募要領の要点、締切、GビズIDプライムの有無、日数のかかる書類を伝える。
  4. 専門家・窓口へつなぐ:計画づくりの助言は商工会・認定支援機関、申請書類は行政書士、雇用関係の助成金は社労士、税務は税理士へ。つなぐ前に情報の提供の同意をもらう。
  5. 資金計画を立てる:自己資金・つなぎ融資・設備資金の融資を組み合わせ、補助金が入るまでの資金繰りを確かめる。
  6. 自機関の役割を果たす:事業支援計画書(様式4)や金融機関による確認書など、自機関が出す書類があれば、発行の締切に間に合わせる。
  7. 採択後もフォローする:交付決定の前に発注しないこと、実績報告の時期、補助金の入金の時期、要件(賃上げなど)の達成状況を、取引先と確かめる。

補助金と融資の組み合わせ方

設備投資の補助金を使う場合の、資金の動きのイメージ
時期取引先のお金の動き支援機関ができること
申請前見積もりを取り、自己資金と借入れの見こみを立てる資金計画の相談、確認書の準備
交付決定のあと発注・契約し、代金を払う(補助金はまだ入らない)つなぎ融資・設備資金の融資の検討
事業の終わり実績報告を出す報告の時期の確認
額の確定のあと補助金が入金されるつなぎ融資の返済の計画の確認

くわしくは、補助金のつなぎ融資、自治体の制度融資と信用保証協会のしくみ、日本政策金融公庫の融資をご覧ください。

取引先に案内できる融資の制度を、ホジョナビで見る

ホジョナビの支援機関向けの使い方

ホジョナビの「支援機関・金融機関」の使い方は、信用金庫・銀行・商工会・商工会議所・自治体・認定支援機関などが、取引先や会員に合う制度を見つけて案内し、専門家や窓口へつなぐための道具です。申請書を作る機能はありません。税理士・中小企業診断士の事務所は、「士業の事務所」の使い方(月9,800円〜・税抜)で使えます(士業が顧問先に補助金・融資を提案するやり方)。また、ホジョナビは融資の紹介や取次ぎをせず、金融機関からも取引先からも紹介料をいただきません。

支援機関の使い方でできること(2026年10月時点)
機能内容
取引先・会員の登録登録した取引先ごとに、合う補助金を一覧にする
紹介の記録専門家や窓口へつないだことを記録し、本人の同意の範囲で、その後の状況を確かめる
融資さがし融資の制度をさがす・つなぎ計算・融資の案内の記録
書類の共有見られる人を決めて、書類を共有する
支援機関のプラン(月額・税抜)
プラン月額初期費用担当者登録できる支援先
ミニ29,800円0円2人30社
ライト59,800円0円5人100社
スタンダード118,000円100,000円20人500社
エンタープライズ250,000円〜(年払いのみ・月額は目安)500,000円〜個別個別

お支払いは請求書払いです。ミニ・ライト・スタンダードの月払いは6か月以上のご契約で、年払いなら11か月分(1か月分おトク)です。エンタープライズは年払いだけです。30日間のお試し(20社まで登録)があります。自治体の方は、ミニとライトは税込の年額でも80万円以内です(入札なしで契約できる金額は、各自治体の規則でご確認ください)。

支援機関・金融機関の料金プランを見る

よくある質問

金融機関の担当者が、取引先の補助金の申請書を代わりに書いてもいいですか?
さけてください。補助金の申請書類の作成は、一般に行政書士の業務とされます。行政書士法19条は、行政書士でない者が名目を問わず報酬を得て業として作ることを制限しています。また、公募要領が申請者自身による作成を求める補助金もあります。金融機関は、資金計画の相談や計画の数字の確認、専門家へのつなぎで支えましょう。
無料で手伝うなら、支援者として申告しなくてもいいですか?
持続化補助金(第20回)では、商工会・商工会議所以外の第三者の支援は、支援料金の支払いの有無にかかわらず申告が必要とされています。ほかの補助金でも、公募要領の支援者の申告の決まりを確かめ、取引先に伝えてください。
補助金の支援を、融資の取引とあわせて提案してもいいですか?
提案すること自体は問題ありませんが、補助金の支援を融資やほかの商品の条件にしたり、断ると取引に影響するように受け取られたりしないよう注意が必要です。監督指針も、支援施策の活用が本当に顧客企業のニーズに合っているかの確認と、優越的地位の濫用の防止を求めています。
取引先の情報を、専門家に渡してもいいですか?
代表者などの個人データを渡す場合は、原則としてあらかじめ本人の同意が必要です(個人情報保護法27条)。会社の情報も、だれに、どの情報を、何のために渡すかを伝えて了解をもらい、記録しておきましょう。

出典

内容は、次の公式の資料で確かめました(かっこの中は確かめた日)。

  1. 金融庁『中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針』(令和8年10月)(2026年10月26日)
  2. 中小企業基盤整備機構『新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)1.3版』(2026年10月26日)
  3. 小規模事業者持続化補助金事務局『小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領(第8版)』(2026年10月26日)
  4. e-Gov法令検索『行政書士法』第19条(2026年10月26日)
  5. 総務省『行政書士制度』(令和7年改正法・令和8年1月1日施行)(2026年10月26日)
  6. e-Gov法令検索『社会保険労務士法』第27条(2026年10月26日)
  7. e-Gov法令検索『個人情報の保護に関する法律』第27条(2026年10月26日)
  8. 中小企業庁『認定経営革新等支援機関』(2026年10月26日)

この記事は、ホジョナビの運営(株式会社ブレイクスルー)が、公式の資料をもとに作成しています(作り方は編集の方針)。ホジョナビは申請の代行や融資の紹介をしません。採択や融資の実行をお約束するものではありません。誤りに気づいたときは、hojonavi_support@breakthru.co.jpまでお知らせください。