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融資・資金繰り

補助金のつなぎ融資とは|後払いの資金繰りの考え方

会社・個人事業主・士業の事務所・金融機関・支援機関向け公開 更新

この記事で分かること

補助金は、採択されたらすぐにお金がもらえるわけではありません。多くは、事業を終えて実績報告をし、額が確定してから振り込まれる「後払い(精算払)」です。そのあいだ、設備代などは自社で先に払う必要があります。この記事では、入金までの流れと期間、必要な資金の考え方、つなぎ融資を使うときの注意点をまとめます。

補助金は後払い(精算払)が原則

たとえば、ものづくり補助金(第23次締切分)の公募要領には、「補助金の支払については、原則として本事業終了後に補助事業実績報告書の提出を受け、補助金交付額の確定後の精算払となります」と書かれています。事業承継・M&A補助金(16次公募)の公募要領にも、「補助金の交付は事業完了後の精算後の支払い(実費弁済)となる」とあります。

つまり、会社は次の順番でお金を動かすことになります。①交付決定のあとに、設備などを発注して全額を払う。②事業が終わったら実績報告をする。③事務局が中身を確かめて額を確定する。④そのあとで補助金が振り込まれる。①から④まで、自社のお金か借りたお金で立て替える必要があります。

交付決定の前に発注・契約・支払いをした経費は、多くの補助金で対象外です。「先に買っておいて、あとで補助金をもらう」ことはできません。資金を準備するときも、支払いの時期は交付決定のあとになるように計画しましょう。

入金はいつになる(流れと期間の例)

入金までの期間は補助金ごとにちがいます。ここでは例として、ものづくり補助金(第23次締切分)の公募要領に書かれている日程を並べます。この回の公募はすでに終わり、採択結果も公表されています(2026年10月26日に総合サイトで確認)。次の回の日程は、ものづくり補助金総合サイトで確かめてください。

例:ものづくり補助金(第23次締切分・製品・サービス高付加価値化枠)の流れ
段階時期・期限(公募要領より)
申請の締切2026年5月8日(金)17:00
採択の公表2026年8月上旬ごろ(公募要領に書かれた予定)
交付申請原則として、採択発表日から遅くとも2か月以内
補助事業の実施(発注・納品・支払い)交付決定日から10か月(ただし採択発表日から12か月後の日まで)
実績報告事業が終わった日から30日をすぎた日か、実施期間の終了日の、どちらか早い日まで
額の確定・入金実績報告を確かめたあと、精算払

この例では、申請から入金まで1年以上かかることもありえます。設備の支払いから入金までだけでも、数か月以上のあいだが空くことがあります。ほかの補助金でも、公募要領の「スケジュール」「補助事業実施期間」「実績報告」「補助金の支払」の部分を必ず読んで、入金の時期の見当をつけておきましょう。

いくら用意すればいい(資金繰りの考え方)

先に払うのは「補助金の額」ではなく、経費の全額です。消費税や、補助の対象にならない経費も含めて払います。簡単な例で考えてみます。

例:補助率1/2で、税抜1,000万円の設備を入れる場合(考え方の例)
項目金額の目安
設備の支払い(税抜)1,000万円
消費税(10%)100万円
先に払うお金の合計1,100万円
あとで入る補助金(1,000万円×1/2)500万円(上限・確定検査の結果で変わる)
最後まで自社で持つお金600万円(消費税の扱いによって変わる)
  • 補助金が入るまでの立替えの額(例では1,100万円)と、最後まで残る自己負担の額(例では600万円)は、分けて考えます。
  • 補助金の額は、実績報告のあとの確定検査で、申請した額より減ることがあります。たとえば、ものづくり補助金では、補助対象物件や帳簿類の現地確認ができないものは補助の対象外になる、とされています。
  • 消費税が補助の対象になるかどうか、税の扱いは制度・会社によってちがいます(たとえば業務改善助成金は、原則として消費税を対象経費からのぞいて計算します)。くわしくは公募要領と税理士で確かめてください。
  • 事業を行うあいだも、給料・家賃・仕入れなど、ふだんの支払いは続きます。補助事業の支払いと重なっても資金が足りるか、月ごとの資金繰り表で確かめましょう。

つなぎ融資とは(どんな借り方があるか)

つなぎ融資は、補助金が入るまでのあいだの資金を、一時的に借りることをいいます。「つなぎ融資」という名前の決まった制度があるわけではなく、金融機関によって扱いや呼び方がちがいます。主な考え方は次のとおりです。

補助金の入金までの資金の主な手当ての方法
方法どんなもの考えること
自己資金手元の預金で立て替える立て替えているあいだも、ふだんの支払いが回るか
金融機関の短期の借入れ補助金の入金を返済のあてにして、短い期間借りる入金が遅れたとき・減ったときの返済をどうするか
設備資金・運転資金としての借入れ設備資金として長く借り、補助金が入ったら一部を返すなど返済の期間・繰上げ返済の条件
自治体の制度融資(保証付き)信用保証協会の保証つきで、金融機関から借りる保証料・自治体の補助の有無。制度融資のしくみ
日本政策金融公庫の融資設備資金・運転資金を公庫から借りる制度ごとの限度額・返済期間。公庫の融資

公庫・自治体の融資の制度を、ホジョナビの一覧で見る

金融機関にはいつ相談する

おすすめは、補助金を申請する前に、取引のある金融機関に相談しておくことです。理由は次のとおりです。

  • ものづくり補助金では、金融機関から資金調達をする場合、所定の様式の「資金調達に係る確認書」を申請のときに出すことになっています。
  • ものづくり補助金の審査項目には、「金融機関等からの十分な資金調達が見込まれるか」という観点があります。
  • 採択されてから相談すると、交付申請の期限(例では採択から2か月以内)や、発注の時期に間に合わないことがあります。

相談するときは、補助金の公募要領、事業計画、見積書、いつ・いくら払い、いつ補助金が入る見込みかの資金繰りの表を用意すると、話が進みやすくなります。採択されたら、採択や交付決定の通知も見せて相談しましょう。

借りるときの注意点

  • 借入れの利息は、補助の対象になりません。ものづくり補助金の公募要領でも、借入金などの支払利息・遅延損害金は対象外の経費とされています。
  • 補助金で買う設備を担保にするときは、事前の手続きが要ることがあります。ものづくり補助金では、購入する機械装置等を担保に金融機関から借りる場合は事務局への事前申請が必要で、担保権が実行されたときは国庫への納付が必要、とされています。
  • 支払いは、決められた期間の中で終える。分割払い・ローンで買うと、期限までに支払いが終わらず、対象にならないことがあります(例:業務改善助成金では、クレジットカードなどで払って期限までに口座から全額が引き落とされていないものや、ローンの返済が期限までに終わっていないものは、額が確定できない、とされています)。
  • 不採択・減額・入金の遅れに備える。補助金は、採択されること・満額が入ることが約束されたものではありません。入らなかった場合の返済も考えておきます。
  • 補助金は収入として扱われる。ものづくり補助金の公募要領では、補助金は経理上、支払いを受けた事業年度の収入として計上し、法人税等の課税対象になる、とされています。税の扱いは税理士に確かめてください(補助金をもらったときの税金と会計)。

よくある失敗

  • 採択されたら、すぐにお金が入ると思っていた。
  • 補助金の額だけを用意していて、経費の全額・消費税が払えない。
  • 採択のあとに金融機関に相談して、発注が遅れる。
  • 補助事業の支払いと、ふだんの支払い(給料・税金)が同じ月に重なる。
  • 確定検査で減額され、借入れの返済の計画がくずれる。

ホジョナビは、融資の紹介・取次ぎをしません。特定の金融機関をおすすめすることも、審査に通ることを約束することもありません。補助金の公募要領の日程・必要書類を整理し、資金の計画を立てる準備を手伝う道具です。借りるかどうか、どこで借りるかは、ご自身で金融機関に相談して決めてください。

補助金の日程と必要書類を、ホジョナビで整理する

よくある質問

補助金は、採択されたらいつ振り込まれますか?
多くの補助金は、事業を終えて実績報告をし、額が確定してからの精算払です。採択からすぐではありません。いつごろになるかは、公募要領の補助事業実施期間と実績報告の期限から見当をつけてください。
補助金の一部を、先に受け取ることはできますか?
原則は精算払です。例外があるかどうかは制度ごとにちがうので、公募要領と交付規程で確かめてください。
つなぎ融資の利息は、補助金で補ってもらえますか?
いいえ。ものづくり補助金の公募要領では、借入金などの支払利息は補助の対象外の経費とされています。ほかの補助金も、公募要領で確かめてください。
不採択だったら、借りたお金はどうなりますか?
借入れは、補助金の結果にかかわらず返す必要があります。不採択や減額のときにどう返すかも含めて、金融機関と相談しておきましょう。採択前に借りるかどうかは、慎重に考えてください。

出典

内容は、次の公式の資料で確かめました(かっこの中は確かめた日)。

  1. ものづくり補助金総合サイト『公募要領(第23次締切分)』(2026年10月26日)
  2. ものづくり補助金総合サイト(公募の状況・採択結果)(2026年10月26日)
  3. 事業承継・M&A補助金『事業承継促進枠 公募要領(16次公募)』(2026年10月26日)
  4. 厚生労働省『業務改善助成金 申請マニュアル(2026年9月)』(2026年10月26日)
  5. 日本政策金融公庫『事業資金 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】』(2026年10月26日)

この記事は、ホジョナビの運営(株式会社ブレイクスルー)が、公式の資料をもとに作成しています(作り方は編集の方針)。ホジョナビは申請の代行や融資の紹介をしません。採択や融資の実行をお約束するものではありません。誤りに気づいたときは、hojonavi_support@breakthru.co.jpまでお知らせください。