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はじめての補助金・融資

補助金をもらったときの税金と会計のしくみ

会社・個人事業主・士業の事務所・金融機関・支援機関向け公開 更新

この記事で分かること

補助金は返さなくてよいお金ですが、税金がかからないわけではありません。法人なら原則として収益(益金)になり、設備に使った場合は「圧縮記帳」で課税を先にのばせることがあります。消費税は不課税です。この記事では、一般的なしくみだけを説明します。自社の処理は、かならず税理士に確かめてください。

この記事は、法律と国税庁の通達にある一般的なしくみの説明です。実際の処理(どの期に計上するか、圧縮記帳を使うかなど)は、会社の状況や補助金の決まりで変わります。くわしくは顧問の税理士にご相談ください。

補助金をもらうと、税金はかかる?

かかります。補助金・助成金は返さなくてよいお金なので、会社にとっては「もうけ」の一部になります。法人なら法人税の計算で益金(収益)に、個人事業主なら事業の収入として扱うのが基本です。

ただし、何に使った補助金か、どの税金の話かで扱いがちがいます。

場面一般的な扱い
広告費・委託費など、経費にあてた補助金収益になる。使った経費も費用になるので、結果として利益への影響は小さくなりやすい
機械・建物など、固定資産の取得にあてた補助金収益になるが、条件を満たせば「圧縮記帳」で、その期の課税を先にのばせる
雇用関係の助成金(人件費などの補てん)収益になる。どの期に計上するかに、国税庁の通達の決まりがある
消費税補助金そのものは「不課税」(消費税はかからない)

どの期の収益にする?計上の時期

補助金は、申請から入金まで1年以上かかることもあります。そのため、決算の期をまたぐことがよくあります。どの期の収益にするかは、補助金の種類と、交付決定・額の確定などの通知の日付によって変わります。

雇用関係の助成金(法人税基本通達 2-1-42)

国税庁の法人税基本通達 2-1-42では、休業手当・賃金・職業訓練費などの経費を補てんするために、雇用保険法などにもとづいて受ける給付金は、給付の原因となった事実(休業・就業・訓練など)があった期に、まだ金額が確定していなくても見積もって益金にする、としています。

一方、定年の延長や高齢者・障害者の雇用など、雇用の改善を図ったことで受ける奨励金は、支給決定があった期の益金にする、とされています。助成金がどちらに当たるかで時期が変わるので、税理士に確かめてください。

設備などにあてた補助金

国の補助金の多くは、事業が終わって実績報告を出したあと、事務局が補助金の額を確定し、その通知のあとに支払われます(後払い)。国税庁の通達では、補助金適正化法の決まりで額が確定し、その通知を受けた補助金は「返さなくてよいことが確定した」ものに当たるとしています(法人税基本通達 10-2-1の注)。この「確定」が、次の圧縮記帳を使えるかどうかに関わります。

圧縮記帳とは(設備に使った補助金)

圧縮記帳は、補助金で固定資産を買ったときに、補助金の分だけ資産の帳簿価額を減らし、その減らした額を損金にするしくみです。法人は法人税法 第42条、個人事業主は所得税法 第42条(補助金の分を総収入金額に入れない)に定めがあります。

法人税法 第42条で圧縮記帳を使うには、主に次の条件があります。

  • 固定資産の取得や改良にあてるための、国または地方公共団体の補助金・給付金など(法律で「国庫補助金等」と呼ぶもの)であること
  • その期の終わりまでに、補助金を返さなくてよいことが確定していること
  • その期の終わりまでに、補助金の目的に合った固定資産を取得・改良していること
  • 帳簿価額を減らす(または積立金にする)処理を決算でして、確定申告書に明細を書くこと

数字の例(しくみのイメージ)

1,000万円の機械を買い、補助金500万円を受けた場合のイメージ
圧縮記帳をしない圧縮記帳をする
補助金の収益500万円500万円
圧縮した額(損金)—500万円
その期の利益への影響(補助金の分)+500万円±0円
機械の帳簿価額1,000万円500万円
その後の減価償却1,000万円をもとに計算500万円をもとに計算(毎年の費用が小さくなる)

圧縮記帳は、税金がなくなるのではなく、先にのびるしくみです。その期の課税はおさえられますが、そのぶん後の期の減価償却費が小さくなり、利益が大きくなります。どちらが自社に合うかは、今後の利益の見こみや赤字の繰越などによってちがいます。

設備を買った期と、補助金の額が確定する期がちがうことがよくあります。前の期に取得した設備でも圧縮記帳ができる場合がありますが、限度額の計算が変わります。また、返さなくてよいことが確定していない段階では、特別勘定という別の処理があります(法人税法 第43条)。どの期に、どの処理をするかは、税理士と確かめてください。

設備に使える補助金を、ホジョナビの一覧でさがす

消費税はどうなる?

国や地方公共団体からの補助金・助成金は、何かの対価として受け取るお金ではないため、消費税の課税の対象になりません(不課税)。国税庁のタックスアンサー No.6157で、不課税の例として挙げられています。

一方で、補助金で買った設備やサービスの代金には消費税がかかっています。消費税の課税事業者(一般課税)は、この消費税を仕入税額控除できることがあります。そうすると、補助金で手当てした部分の消費税も控除され、二重に得をする形になります。

そのため、多くの補助金では、消費税等仕入控除税額(補助対象経費にふくまれる消費税のうち、控除できる分)を、はじめから補助対象経費から減らすか、あとで報告して返すことを求めています。たとえば新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回)では、交付申請のときに消費税等仕入控除税額を減らして書くことになっています。扱いは補助金ごとに公募要領・交付規程で確かめてください。

会計の流れ(仕訳のイメージ)

会社の会計では、補助金は「補助金収入」などの科目で収益にします。営業外収益にするか特別利益にするかなど、表示のしかたは会社や補助金の性質で変わります。設備の補助金で、圧縮記帳をする場合の流れのイメージです。

仕訳のイメージ(一例。実際の科目・時期は税理士と確かめる)
ときすることの例
交付決定この時点では、仕訳をしないことが多い(もらえる額がまだ確定していないため)
設備の代金を払う機械装置 / 現金預金(自社のお金や借入れで先に払う)
補助金の額が確定する未収入金 / 補助金収入
補助金が入金される現金預金 / 未収入金
決算で圧縮記帳をする固定資産圧縮損 / 機械装置(または積立金で処理)

補助金は後払いなので、設備の代金を払ってから入金までの間、資金が出ていったままになります。この間の資金のやりくりは補助金のつなぎ融資で説明しています。

もらったあとに気をつけること

  • 財産の処分の制限:補助金で買った設備などは、決められた期間、勝手に売ったり、ほかの用途に使ったり、捨てたりできません。処分するときは承認が必要で、補助金の一部を返すことがあります。
  • 要件を守れないときの返還:賃上げなどの要件を約束した補助金では、達成できないと補助金の一部または全額を返すことがあります(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金など)。
  • 返したときの税金:補助金を返すことになった場合の税金の扱いも、税理士に確かめてください。
  • 書類の保存:補助金の書類は、決められた期間の保存が必要です。たとえば雇用関係の助成金は、申請した書類(添付書類をふくむ)を、支給決定日の翌日から5年間保存するよう、厚生労働省が案内しています。社会保険労務士などに申請をたのんだ場合も、写しを受け取って保存します。

よくある思いちがい

思いちがい実際は(一般的なしくみ)
補助金は非課税だから、申告しなくていい法人税・所得税では、原則として収益になる。消費税が不課税なだけ
圧縮記帳をすれば税金がゼロになるその期の課税が先にのびるだけ。後の期の減価償却費が小さくなる
入金された期に収益にすればいい額の確定の通知や、助成金の種類によって、計上の時期が決まることがある
補助金で買った設備は、すぐ売ってもいい財産の処分の制限がある。処分には承認がいり、返還が生じることがある

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よくある質問

補助金に消費税はかかりますか?
国や地方公共団体からの補助金・助成金は、対価として受け取るものではないので、消費税の課税の対象になりません(不課税)。ただし、補助金で買ったものの消費税を仕入税額控除する場合の扱い(消費税等仕入控除税額)は、補助金ごとの決まりを確かめてください。
個人事業主が補助金をもらった場合はどうなりますか?
事業に関する補助金は、一般に事業の収入として扱います。固定資産の取得にあてた国庫補助金等で、条件を満たすものは、所得税法第42条でその分を総収入金額に入れない扱いがあります。確定申告での書き方もふくめ、税理士に確かめてください。
圧縮記帳は、必ずしないといけませんか?
圧縮記帳は、条件を満たす場合に「選べる」処理です。しない場合は、その期の利益に補助金の分がそのままのります。どちらがよいかは会社の状況によるので、税理士と決めてください。
雇用関係の助成金は、どの期の収益になりますか?
国税庁の法人税基本通達2-1-42では、賃金などの経費を補てんする給付金は、給付の原因となった事実があった期に見積もって益金にするとしています。雇用の改善を図ったことで受ける奨励金は、支給決定があった期の益金です。どちらに当たるかは、税理士に確かめてください。

出典

内容は、次の公式の資料で確かめました(かっこの中は確かめた日)。

  1. e-Gov法令検索『法人税法』第42条・第43条(2026年10月26日)
  2. e-Gov法令検索『所得税法』第42条(2026年10月26日)
  3. 国税庁『法人税基本通達 第10章第2節 国庫補助金等で取得した資産の圧縮記帳』(2026年10月26日)
  4. 国税庁『法人税基本通達 第2章第1節第7款 その他の収益等』(2-1-42)(2026年10月26日)
  5. 国税庁『No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)』(2026年10月26日)
  6. 中小企業基盤整備機構『新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)1.3版』(2026年10月26日)
  7. 厚生労働省『「雇用関係助成金」を正しく申請していますか?』(2026年10月26日)

この記事は、ホジョナビの運営(株式会社ブレイクスルー)が、公式の資料をもとに作成しています(作り方は編集の方針)。ホジョナビは申請の代行や融資の紹介をしません。採択や融資の実行をお約束するものではありません。誤りに気づいたときは、hojonavi_support@breakthru.co.jpまでお知らせください。