補助金の申請に必要な書類とは
必要な書類は、補助金ごとに公募要領で決まっています。同じ補助金でも、公募の回が変わると書類が変わることがあります。まず公募要領の「申請に必要な書類」「添付書類」の章を開いてください。
そのうえで、よく求められる書類は、大きく次の4つに分けられます。
- 申請に使うアカウント:GビズIDプライム(国の補助金の電子申請の多くで必要)
- 会社のことを証明する書類:履歴事項全部証明書(法人)、開業届(個人事業主)、納税証明書など
- お金の状況がわかる書類:決算書(貸借対照表・損益計算書)、確定申告書の控え
- 計画と経費の書類:事業計画書、見積書、従業員の名簿・賃金台帳、支援機関の確認書など
このうち、いちばん時間がかかるのはGビズIDプライムです。持っていない場合は、ほかの書類より先に申し込みます。くわしくはGビズIDプライムの取り方で説明しています。
よく求められる書類の一覧(どこで・いくら・何日)
| 書類 | どこで取る | 手数料 | 日数の目安 |
|---|---|---|---|
| GビズIDプライム | GビズIDのサイト(デジタル庁) | 無料 | オンライン申請は最短即日、書類申請は最大1か月 |
| 履歴事項全部証明書(法人) | 法務局の窓口・郵送・オンライン請求 | 書面600円/オンラインで郵送受取520円/オンラインで窓口受取490円(1通) | 窓口なら多くはその日。郵送は往復の日数がかかる |
| 印鑑証明書(法人) | 法務局(GビズIDの書類申請で使う) | 書面500円/オンラインで郵送受取450円/オンラインで窓口受取420円(1通) | 窓口なら多くはその日 |
| 納税証明書 | 税務署の窓口・郵送・e-Tax | 書面400円/オンライン370円(その1・その2は税目数×年度数×枚数) | 公式の日数の記載なし。申告・納付の直後は、当日に出ないことがある(税務署で確かめる) |
| 決算書・確定申告書の控え | 自社の保管分、顧問の税理士 | — | 手もとにあればすぐ |
| 労働者名簿・賃金台帳 | 自社(労働基準法で作る帳簿) | — | 手もとにあればすぐ |
| 見積書 | 設備やサービスを買う先 | — | 相手しだい(早めにたのむ) |
登記の手数料は、令和7年(2025年)4月1日からの金額です(法務省「登記手数料について」)。納税証明書の手数料は国税庁「納税証明書の請求手続」で確かめました。手数料は変わることがあるので、取る前に公式のページを見てください。
実際の公募要領では、何を出すのか
2026年10月時点で受付中・受付予定の2つの補助金で、必ず出す書類をくらべます。補助金によって、決算書の期数や、登記の証明書がいるかどうかがちがうことがわかります。
| 小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠)第20回 | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回 | |
|---|---|---|
| 受付 | 2026年11月5日〜12月15日17時(予定) | 2026年10月30日18時まで |
| アカウント | GビズIDプライムまたはメンバー(電子申請) | GビズIDプライム |
| 決算書 | 貸借対照表・損益計算書(直近1期分) | 直近3期分の貸借対照表・損益計算書など |
| 登記の証明書 | 決算期を一度も迎えていない法人だけ、現在事項または履歴事項全部証明書(提出日から3か月以内の原本) | 新規設立から1年に満たない場合(革新的新製品・サービス枠とグローバル枠)に履歴事項全部証明書 |
| そのほか | 商工会・商工会議所が出す「事業支援計画書(様式4)」 | 労働者名簿の写し、確定申告書別表一と法人事業概況説明書の控え |
出典は、持続化補助金 第20回の公募要領(第8版・2026年7月21日)と、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回の公募要領(1.3版・2026年9月)です。賃上げの特例や加点をのぞむ場合は、賃金台帳の写しなど、書類が増えます。
持続化補助金の「事業支援計画書(様式4)」は、地域の商工会・商工会議所に発行してもらう書類です。第20回の発行の受付締切は2026年12月4日(金)で、申請の締切より早く終わります。締切のあとは、どんな理由でも発行されません。
履歴事項全部証明書の取り方
履歴事項全部証明書は、会社の登記の内容(商号・本店・役員など)と、その変更の履歴を証明する書類です。「登記簿謄本」と呼ばれることもあります。だれでも請求でき、最寄りの法務局で、ほかの地域の会社の分も取れます(法務省「会社・法人の登記事項証明書等を請求される方へ」)。
- 窓口:法務局で請求書を書き、収入印紙で手数料を払います。多くの場合、その日のうちに受け取れます(証明書発行請求機がある法務局では、機械の操作で請求書を作れます)。
- 郵送:請求書と収入印紙、返信用の封筒を法務局に送ります。
- オンライン:登記・供託オンライン申請システムで請求し、郵送か法務局の窓口で受け取ります。書面で請求するより手数料が安くなります。
補助金では「発行から3か月以内」「原本」と決められていることが多いです。早く取りすぎると、申請のときに期限が切れます。申請する時期が決まってから取りましょう。電子申請で原本をどう出すか(スキャンしたPDFでよいかなど)は、公募要領や申請の手引きで確かめてください。
なお、「現在事項全部証明書」は、いまの登記の内容だけを証明する書類です。どちらでもよい補助金と、履歴事項全部証明書に限る補助金があります。
納税証明書の種類と取り方
納税証明書には4つの種類があります。補助金で求められるのは、主に「その1」か「その2」です。
| 種類 | 証明すること |
|---|---|
| その1 | 納めるべき税額・納めた税額・未納の税額など |
| その2 | 所得金額 |
| その3 | 未納の税額がないこと |
| その4 | 証明する期間に、滞納処分を受けたことがないこと |
請求は、税務署の窓口、郵送、e-Tax(オンライン)でできます。e-Taxで請求すると、電子の納税証明書(PDFなど)を受け取ることもできます。どの種類の、どの税目・どの年度の証明書がいるのかは、補助金ごとにちがいます。公募要領の書き方どおりに取ってください。
たとえば新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、確定申告書の控えに電子申告の日時・受付番号がない紙の申告の場合、収受日付印があるか、納税証明書(その2)を出すように決められています。
いつから準備する?逆算の目安
締切から逆算すると、次の順で動くと間に合いやすくなります。
| いつまでに | やること |
|---|---|
| 締切の1か月半前 | 公募要領を読む。GビズIDプライムがなければ申し込む(書類申請は最大1か月かかる) |
| 締切の1か月前 | 見積書をたのむ。決算書・確定申告書の控えをそろえる。商工会・商工会議所や支援機関に相談する |
| 締切の2〜3週間前 | 事業計画を書く。支援機関の確認書が必要なら、発行の締切を確かめてたのむ |
| 締切の1〜2週間前 | 履歴事項全部証明書・納税証明書を取る(発行日の決まりに合わせる) |
| 締切の数日前 | 電子申請に入力して、ファイル名と添付もれを確かめて出す |
電子申請の入力は、数時間かかることがあります。締切の直前はアクセスが集中しやすいので、最後の日に入力を始めるのはさけましょう。
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書類でよくある失敗
- 証明書の期限切れ:「発行から3か月以内」を過ぎた証明書を出してしまう。
- 期数が足りない:直近3期分が必要なのに、1期分だけ出す。
- ファイル名がちがう:公募要領の「ファイル名確認シート」どおりの名前にしていない。
- マイナンバーが見えている:確定申告書などに個人番号が書いてあるのに、黒くぬっていない(持続化補助金の公募要領では黒ぬりを求めています)。
- GビズIDの登録情報が古い:住所や代表者が変わったのに、GビズIDを直していない。持続化補助金では、最新にしないと補助金の額の確定を受けられないとされています。
- 発行の締切を見落とす:商工会・商工会議所や金融機関が出す書類に、申請より早い締切がある。
公募要領に沿わない申請や、書類に不備・不足がある申請は、審査の対象にならず不採択になります(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回の公募要領)。出す前に、公募要領の書類の一覧と1つずつ照らし合わせてください。
事業計画書は、申請する会社が自分で作ることが求められています。外部の支援者の助言を受けることはできますが、作成そのものを他人がすると、不採択や交付決定の取消になると公募要領に書かれています。支援を受けた場合は、支援者の名前や報酬を申請の画面に書く決まりもあります。
よくある質問
- 履歴事項全部証明書は、いつ取ればいいですか?
- 補助金では「発行から3か月以内」と決められていることが多いので、申請する時期が決まってから取ります。締切の1〜2週間前を目安にしてください。期限の数え方(申請日から数えるかなど)は、公募要領で確かめてください。
- 納税証明書は「その1」と「その2」のどちらを取ればいいですか?
- 補助金ごとにちがいます。公募要領に書かれた種類・税目・年度のとおりに取ってください。わからないときは、事務局に確かめるのが確実です。
- 決算書がない、できたばかりの会社でも申請できますか?
- 補助金によっては、決算書の代わりに履歴事項全部証明書(法人)や開業届(個人事業主)、売上台帳などを出す形で申請できます。対象になるかどうかと代わりの書類は、公募要領で確かめてください。
- 書類の取りよせを、ほかの人にたのめますか?
- 履歴事項全部証明書は、だれでも請求できます。納税証明書を代理の人が窓口で受け取るときは、委任状などが必要です。なお、GビズIDのIDとパスワードを外部の支援者に教えることは、GビズIDの利用規約に反するとされています。
出典
内容は、次の公式の資料で確かめました(かっこの中は確かめた日)。
- 小規模事業者持続化補助金事務局『小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領(第8版)』(2026年10月26日)
- 中小企業基盤整備機構『新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)1.3版』(2026年10月26日)
- 法務省『登記手数料について』(2026年10月26日)
- 法務省『会社・法人の登記事項証明書等を請求される方へ』(2026年10月26日)
- 国税庁『納税証明書の請求手続』(2026年10月26日)
- デジタル庁 GビズID『申請アカウントの選択』(2026年10月26日)
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