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申請の準備

補助金が不採択になる理由と、次の回への備え

会社・個人事業主・士業の事務所・金融機関・支援機関向け公開 更新

この記事で分かること

審査のある補助金では、申請しても選ばれないことがよくあります。しかも多くの国の補助金では、不採択の理由は教えてもらえません。この記事では、公募要領から読み取れる「不採択になる主な理由」と、自分で計画を見直すやり方、次の回に向けた準備をまとめます。

不採択とは。どのくらいの会社が選ばれている?

補助金の多くは、申請した会社の中から、審査で予算の範囲で選ぶしくみです。要件を満たしていても、ほかの申請より評価が低ければ選ばれません。これが「不採択」です。

たとえば、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)の事務局は、締切の回ごとに申請者数と採択者数を公表しています。

ものづくり補助金の申請者数と採択者数(公式の発表。割合はこの記事で計算)
締切の回採択の発表申請者数採択者数採択された割合
19次2025年7月28日5,3361,698約32%
20次2025年10月27日2,453825約34%
21次2026年1月23日1,872638約34%
22次2026年4月30日1,552582約38%
23次2026年8月7日1,275448約35%

出典はものづくり補助金総合サイト「採択結果」です。この5回では、どの回も申請した会社のおよそ3社に2社が不採択でした。割合は回や補助金によって大きく変わり、次の回を予想するものではありません。なお、ものづくり補助金の公募は終わっていて、事務局は新しい申請を「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」へ案内しています(事務局のサイトでは、「中小企業新事業進出補助金」や「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」とは異なる補助金だとしています)。

採択は「補助金の交付候補に選ばれた」という意味で、お金がもらえることが決まったわけではありません。採択のあとの交付申請で、経費が審査され、減ったり対象外になったりすることがあります。

不採択の理由は教えてもらえる?

国の主な補助金では、理由は開示されません。公募要領にそう書かれています。

  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金:採択結果についての理由の開示と異議の申立ては、一切受け付けない(第1回の公募要領)。
  • 小規模事業者持続化補助金:採択審査の結果の内容についての問い合わせには応じない(第20回の公募要領)。

つまり、理由は自分で見つける必要があります。手がかりになるのは、公募要領の「審査項目」「審査の観点」と、加点・減点の決まりです。次の章から、公募要領で決まっている「落ちる理由」を順に見ていきます。

不採択になる主な理由

理由具体的にはどう防ぐ
審査の前に外れる対象の会社・事業・経費に当てはまらない。必要な書類がない・不備がある公募要領の要件と書類の一覧を、1つずつ照らし合わせる
計画の評価が足りない審査項目に答えていない。数字の根拠がない。市場や競合の分析があいまい審査項目の見出しごとに、根拠のある文と数字で書く
減点を受けた前に受けた補助金で、賃上げの加点の約束を守れなかった。同じ補助金を何度も使っている過去の補助金の報告と、減点の決まりを確かめる
加点の手続きのまちがい加点の書類がない。選べる数より多く選んだ(持続化補助金では、加点審査の対象外になる)加点ごとの必要書類と、選べる数を確かめる
自分で作っていない計画を外部の人が作った。支援を受けたのに、支援者と報酬を書いていない計画は自社で作り、支援者がいればすべて申告する
重複しているほかの国の補助金と、事業や経費が重複している。受けた・申請中の補助金を書いていないほかの補助金との重複を確かめ、受けた・申請中の補助金はすべて書く

1. 審査の前に外れる(要件・書類)

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公募要領では、対象に当てはまらない申請や、申請内容・書類に不備や不足がある申請は、審査の対象にならず不採択になるとしています。持続化補助金でも、「必要な提出資料がすべて提出されていること」などの基礎審査を満たさないと失格です。書類の集め方は補助金の申請に必要な書類でまとめています。

2. 計画の評価が足りない

書類がそろっていても、計画の中身で順位がつきます。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回)の書面審査は、次のような観点です。

  • 補助対象事業としての適格性(要件を満たすか、経費が本当に必要で合理的か)
  • 経営戦略との整合性(これまでの事業との一貫性、強み・弱みをふまえているか)
  • 事業の実現可能性(目標の数字と根拠、体制、資金の調達の見こみ)
  • 公的補助の必要性(費用対効果、国が補助する理由があるか)
  • 政策面(経済や地域への効果)

持続化補助金(第20回)では、自社の経営状況の分析、経営方針と今後のプラン、補助事業計画の有効性、経費の積算が正確で本当に必要な額か、が見られます。どちらも、「何となく良さそう」ではなく、根拠となる事実や数字があるかが問われています。

3. 減点を受けた

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回)では、たとえば次の場合に減点されます。中小企業庁の補助金で賃上げの加点を受けて採択されたのに、その要件を達成できなかった場合は、未達が報告されてから18か月の間、大幅に減点されます。ほかに、同じテーマの申請が集中して過剰投資と判断された場合、申請の締切から数えて過去3年間に、ものづくり補助金または新事業進出補助金で交付決定を受けている場合なども減点の対象です。

持続化補助金でも、過去の補助事業の実施回数などに応じて、段階的に減点の調整をするとしています。

4. 自分で作っていない

どちらの補助金も、計画は申請する会社が自分で作ることを求めています。外部の支援者の助言はかまいませんが、作成そのものを他人が行ったことがわかると、不採択や交付決定の取消になります。支援を受けたのに、支援者の名前や報酬(着手金・成功報酬などの名目を問わず)を書かないと、虚偽の申告として不採択になるとも書かれています。

不採択のあとの見直し方

理由が開示されないので、次の順で自分で点検します。

  1. 要件をもう一度確かめる:会社の規模、事業の内容、経費の種類が、公募要領の対象に入っているか。
  2. 書類を照らし合わせる:期数・発行日・ファイル名・原本かどうか。
  3. 審査項目ごとに、計画に答えがあるか見る:見出しをそろえ、1つの項目に1つ以上の根拠(数字・事実)があるか。
  4. 数字のつながりを見る:売上・付加価値・賃上げの目標が、過去の決算や市場の大きさと無理なくつながっているか。
  5. 経費を見なおす:計画に本当に必要な経費か。見積もりの根拠はあるか。
  6. 加点と減点を確かめる:取れる加点の手続きをしたか。減点に当たる事情がないか。

自社だけで見るのがむずかしいときは、商工会・商工会議所、認定経営革新等支援機関、取引のある金融機関などに相談する方法もあります。ただし、計画を書くのはあくまで自社です。

採択を保証したり、高い採択率を売りにしたりして、高額な成功報酬をもとめる業者に注意してください。公募要領でも、サービスの内容とかけはなれた高額な成功報酬や、経費の水増しの提案は、不適切な行為の例として挙げられています。

次の回への備え

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公募要領では、不採択になった会社は、計画を見直したうえで再び申請できるとしています。ほかの補助金も、多くは次の回に申請できます。次の回の要件は変わることがあるので、新しい公募要領で確かめ直します。

2026年10月時点の主な予定(公式のページで確かめた内容)
補助金予定
小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠)第20回申請の受付 2026年11月5日〜12月15日17時。事業支援計画書(様式4)の発行の受付締切は12月4日(商工会議所地区の事務局の案内。予定は変わることがある)
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回締切 2026年10月30日18時。採択の発表は2027年1月の予定
  • GビズIDプライム:有効期限(2年3か月)と登録の情報を確かめる。→ GビズIDプライムの取り方
  • 決算書と賃金の記録:次の回では決算の期が1つ進むことがあります。賃上げの要件や加点を使うなら、賃金台帳も整えておきます。
  • 加点の準備:経営革新計画・事業継続力強化計画・パートナーシップ構築宣言などの加点は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では申請の締切の時点で満たしている必要があります。認定や登録には日数がかかるので、早めに取りかかります。
  • 見積もりと相見積もり:経費の根拠をそろえておくと、計画の積算の説明がしやすくなります。

次に申請できる補助金を、ホジョナビの一覧で締切つきで見る

ほかの制度や、資金の手当ても考える

同じ目的に使える補助金は、国だけでなく、都道府県や市区町村にもあります。また、補助金は後払いなので、採択されても、いったんは自社のお金や借入れで払う必要があります。投資の時期をずらせないときは、融資もふくめて資金の計画を立てておくと安心です。考え方は補助金のつなぎ融資にまとめています。

設備や運転資金に使える融資の制度を、ホジョナビで見る

よくある質問

不採択の理由を事務局に問い合わせられますか?
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、理由の開示と異議の申立てを受け付けていません。持続化補助金も、審査の結果の内容への問い合わせには応じないとしています。ほかの補助金でも、公募要領の「審査結果の通知」の章を確かめてください。
不採択になったら、次の回にもう一度申請できますか?
多くの補助金でできます。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公募要領でも、計画を見直したうえで再び申請できるとしています。次の回は要件が変わることがあるので、新しい公募要領で確かめてください。
同じ計画をそのまま出し直してもいいですか?
要件や審査の観点が変わっていることがあるので、そのまま出すのはおすすめしません。審査項目ごとに答えがあるか、数字の根拠があるかを見直してから出しましょう。
採択されたら、必ず補助金をもらえますか?
いいえ。採択のあと、交付申請で経費が審査され、交付決定を受けてから事業を始めます。交付決定の前に発注・契約した経費は、原則として対象になりません。事業のあとに実績報告を出し、補助金の額が確定してから支払われます。

出典

内容は、次の公式の資料で確かめました(かっこの中は確かめた日)。

  1. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金総合サイト『採択結果』(2026年10月26日)
  2. 中小企業基盤整備機構『新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)1.3版』(2026年10月26日)
  3. 中小企業基盤整備機構『新事業進出・ものづくり商業サービス補助金』(トップページ)(2026年10月26日)
  4. 中小企業基盤整備機構『新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募スケジュール』(2026年10月26日)
  5. 小規模事業者持続化補助金事務局『小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領(第8版)』(2026年10月26日)
  6. 商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>事務局(第20回のスケジュール)(2026年10月26日)

この記事は、ホジョナビの運営(株式会社ブレイクスルー)が、公式の資料をもとに作成しています(作り方は編集の方針)。ホジョナビは申請の代行や融資の紹介をしません。採択や融資の実行をお約束するものではありません。誤りに気づいたときは、hojonavi_support@breakthru.co.jpまでお知らせください。