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融資・資金繰り

日本政策金融公庫の融資とは|創業・設備・運転資金

会社・個人事業主・士業の事務所・金融機関・支援機関向け公開 更新

この記事で分かること

日本政策金融公庫(日本公庫)は、国の政策金融機関です。創業する人や小さな会社が、民間の金融機関だけでは借りにくいときの選択肢になります。この記事では、国民生活事業の主な融資制度(創業・設備・運転資金)、限度額と返済期間、2026年10月1日現在の金利の幅、申込みの流れと書類をまとめます。

日本政策金融公庫の融資とは

日本政策金融公庫は、国の政策にそって中小企業・小規模事業者・創業する人・農林漁業者などに融資をする金融機関です。事業の窓口は大きく3つに分かれています。

日本政策金融公庫の3つの事業
事業主な利用者特徴
国民生活事業小規模事業者、個人事業主、創業する人創業融資・マル経融資・一般貸付など
中小企業事業中小企業支店の中小企業事業の窓口か、代理店になっている金融機関の窓口で相談
農林水産事業農林漁業者、食品産業の事業者農林漁業・食品産業向けの長期の資金

この記事では、小規模事業者・個人事業主・創業する人が使う国民生活事業を中心に説明します。融資なので、補助金・助成金とちがって返済が必要です。また、どの制度も「審査の結果、希望に沿えないことがある」とされています。

主な融資制度は(創業・設備・運転資金)

国民生活事業の主な融資制度(公庫の公式ページより、2026年10月26日に確認)
制度使える人融資限度額返済期間(うち据置期間)
新規開業・スタートアップ支援資金新たに事業を始める人、事業を始めておおむね7年以内の人7,200万円設備資金20年以内(5年以内)、運転資金10年以内(5年以内)
一般貸付ほとんどの業種の中小企業(業種や経営内容によっては使えないことがある)運転資金4,800万円、設備資金4,800万円、特定設備資金7,200万円運転資金5年以内・特に必要な場合7年以内(1年以内)、設備資金10年以内(2年以内)、特定設備資金20年以内(2年以内)
マル経融資(小規模事業者経営改善資金)商工会議所・商工会などの経営指導を受け、その長の推薦を受けた小規模事業者(商工業者)2,000万円10年以内(2年以内)。無担保・無保証人
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)外の要因で売上の減少など一時的に業況が悪くなったが、中長期的には回復が見込まれる人7,200万円設備資金20年以内(3年以内)、運転資金10年以内(3年以内)
事業承継・集約・活性化支援資金事業承継の計画を後継者と作っている人、M&Aで事業を承継・集約する人など別枠7,200万円(国民生活事業)設備資金20年以内(5年以内)、運転資金10年以内(5年以内)

このほか、環境・エネルギー対策資金、ソーシャルビジネス支援資金、資本性ローン、災害の貸付など、目的ごとの制度があります。飲食店・理美容・クリーニング・旅館などの生活衛生関係の事業には、生活衛生貸付があります。全体の一覧は、公庫の融資制度のご案内(国民生活事業)で見られます。

公庫・自治体の融資の制度を、ホジョナビの一覧で見る

創業するときの融資(新規開業・スタートアップ支援資金)

創業期(新たに事業を始める人、または事業を始めて税務申告を2期終えていない人)には、公庫の公式ページで次の3つのポイントが示されています。

  • 原則として無担保・無保証人で、各種の融資制度を使える。
  • 創業支援貸付利率特例制度により、利率が原則として0.65%下がる(雇用を増やす場合は0.9%)。
  • 新規開業・スタートアップ支援資金なら、設備資金は20年以内、運転資金は原則10年以内と、長く返済できる。

新規開業・スタートアップ支援資金は、ふつうは基準利率です。女性、35歳未満か55歳以上の人、市区町村の認定特定創業支援等事業(創業塾など)の証明書をもつ人、認定経営革新等支援機関の指導・助言を受けて中小会計を適用する人などは、特別利率になる場合があります。くわしい条件は公式ページで確かめてください。

新規開業・スタートアップ支援資金は、「新しい事業について適正な事業計画を作り、それをやりとげる力が十分あると認められる人」が対象です。創業計画書を出し、事業計画の中身を確かめられます。

金利はいくら(2026年10月1日現在)

公庫の金利は、融資制度・使いみち・返済期間・担保の有無などで変わります。国民生活事業の基準利率の幅は、2026年10月1日現在、次のとおりです。

国民生活事業の基準利率(年利・2026年10月1日現在)
区分基準利率
無担保(税務申告を2期終えている人)4.05〜5.65%
無担保(税務申告を2期終えていない人)3.85〜5.45%
有担保3.05〜5.25%
災害貸付など3.20〜4.80%
マル経融資・生活衛生改善貸付(特別利率F)3.05%
  • 制度や条件によっては、基準利率より低い特別利率(A・B・Cなど)が使われます。
  • 賃上げ貸付利率特例制度:事業を始めて3か月以上で、従業員(パート・アルバイトを含む)の給与等の総額を、最近の決算期より2.5%以上増やす見込みがある人は、制度の利率から0.5%下がります(貸付日から2年間。下限0.3%)。
  • 経営者保証免除特例制度:一定の条件を満たす法人は、経営者の保証なしで借りられます。上乗せの利率はありません。
  • 金利は金融情勢で変わります。実際に借りるときの金利(固定)は、上の数字とちがうことがあります。

申込みの流れ

  1. 相談する:事業資金相談ダイヤル、支店の窓口、オンライン(予約制)。商工会議所・商工会などでも相談できます。
  2. 申し込む:国民生活事業は、インターネット申込み(24時間受付)が基本です。
  3. 面談:使いみちや事業計画について話を聞かれます。資産・負債がわかる書類なども用意します。創業の場合は、店舗や事業所の予定地を訪ねられることもあります。
  4. 審査・融資の決定
  5. 契約:電子契約サービスも使えます。
  6. 入金:融資金が金融機関の口座に送金されます。
  7. 返済:原則として毎月の返済です(元金均等・元利均等・ステップ返済など)。

中小企業事業の場合は、支店の中小企業事業の窓口か、代理店になっている金融機関の窓口で相談します。

必要な書類

国民生活事業でインターネット申込みのときに用意する主な書類
書類だれが用意する
創業計画書これから事業を始める人、始めて間もない人
企業概要書上記以外の人
確定申告書・決算書(2期分の一式)税務申告を終えている人(1期だけなら1期分)
見積書設備資金を申し込む人
履歴事項全部証明書(登記簿謄本)法人(最近6か月以内のもの)
試算表決算から6か月以上たっている人、まだ決算を終えていない人
送金先の預金通帳の写し全員
本人確認書類(運転免許証など)代表者
許認可証飲食店など、許可・届出が要る事業

中小企業事業では、最新3期分の決算書・税務申告書、納税証明書、最近の試算表などが求められます。書類の取り方は補助金の申請に必要な書類と取り方も参考にしてください(履歴事項全部証明書・納税証明書などは共通です)。

補助金と組み合わせるときの考え方

多くの補助金は後払いです。採択されても、先に自社で費用を払い、事業が終わってから入金されます。そのあいだの資金を、自己資金や融資でまかなうことがあります。補助金の入金までの資金繰りの考え方は、補助金のつなぎ融資にまとめています。

公庫のほかに、自治体の制度融資(信用保証協会の保証つき)という選択肢もあります。くわしくは自治体の制度融資と信用保証協会のしくみを見てください。

よくある失敗と、気をつけること

  • 書類が足りない。公庫は、確定申告書が2期分そろっていない、表紙だけで一式になっていない、などの不備が多いと呼びかけています。
  • 事業計画の数字の根拠がない。売上の見込み・仕入れ・経費の根拠を説明できるようにしておきましょう。
  • 税金・公共料金・ほかの借入れの支払いがとどこおっている。
  • 必要な時期の直前に申し込む。相談から入金まで時間がかかります。余裕をもって動きましょう。
  • 補助金が入る前提で、返済の計画を立てる。補助金は審査や実績報告の結果で額が変わることがあります。

ホジョナビは、融資の紹介・取次ぎをしません。特定の金融機関をおすすめすることも、審査に通ることを約束することもありません。融資の制度を調べ、申込みに必要な書類や事業計画の準備を整理するための道具です。借りるかどうか、どこで借りるかは、ご自身で各金融機関に相談して決めてください。

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よくある質問

日本政策金融公庫で、創業前でも借りられますか?
新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める人も対象です。創業計画書を出し、事業計画の中身を確かめられます。審査の結果、希望に沿えないこともあります。
保証人や担保は必要ですか?
創業期(新たに事業を始める人、税務申告を2期終えていない人)は、原則として無担保・無保証人で使える、と公庫は案内しています。それ以外は、希望を聞きながら相談、とされています。法人には経営者保証免除特例制度もあります。
金利は固定ですか、変動ですか?
公庫のページでは、借入金利は「固定」と書かれています。ただし、どの金利になるかは借りるときの金融情勢・制度・条件で決まり、公表されている利率と異なることがあります。
マル経融資は、だれでも使えますか?
商工会議所・商工会などの経営指導を受けている小規模事業者(商工業者)で、商工会議所などの長の推薦を受けた人が対象です。まず地元の商工会議所・商工会に相談します。
借りたお金の利息は、税金でどう扱われますか?
事業の借入れの利息は、一般に経費(損金・必要経費)として扱われます。元本の返済は経費になりません。くわしくは税理士に確かめてください。

出典

内容は、次の公式の資料で確かめました(かっこの中は確かめた日)。

  1. 日本政策金融公庫『融資制度のご案内(国民生活事業)』(2026年10月26日)
  2. 日本政策金融公庫『新規開業・スタートアップ支援資金』(2026年10月26日)
  3. 日本政策金融公庫『創業融資のご案内』(2026年10月26日)
  4. 日本政策金融公庫『一般貸付』(2026年10月26日)
  5. 日本政策金融公庫『マル経融資(小規模事業者経営改善資金)』(2026年10月26日)
  6. 日本政策金融公庫『経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)』(2026年10月26日)
  7. 日本政策金融公庫『賃上げ貸付利率特例制度』(2026年10月26日)
  8. 日本政策金融公庫『経営者保証免除特例制度』(2026年10月26日)
  9. 日本政策金融公庫『金利情報(国民生活事業)』(2026年10月26日)
  10. 日本政策金融公庫『事業承継・集約・活性化支援資金』(2026年10月26日)
  11. 日本政策金融公庫『お手続きの流れ(小規模事業者/個人事業主の方)』(2026年10月26日)
  12. 日本政策金融公庫『お手続きの流れ(中小企業の方)』(2026年10月26日)
  13. 日本政策金融公庫『融資制度を探す(農林漁業者の方)』(2026年10月26日)

この記事は、ホジョナビの運営(株式会社ブレイクスルー)が、公式の資料をもとに作成しています(作り方は編集の方針)。ホジョナビは申請の代行や融資の紹介をしません。採択や融資の実行をお約束するものではありません。誤りに気づいたときは、hojonavi_support@breakthru.co.jpまでお知らせください。